長期ビジョンのための判断力
2021/09/10
ようこそ 岡山の経営コンサルタント カカトコリです。
「肝心なのは、経営者は見られているってこと。
考えていること、言っていること、やっていること。
その3つに一貫性があるかどうかを絶えず周りから見られているということ」
「例えば、全社会議の時に、商談から降りたい福岡の企業さんから再度見積もり依頼が来たのね。
上場企業からもプロジェクトへの参加表明があった。ついてはお前のところも見積りを出せと。
『嫌な客は断れ』といつも社員に言っているから、何度も断っていた。
たまたま全社会議の日に事務所に電話してきたから、頭に来て「二度と電話してくるな」って怒鳴って電話を切った。」
その場面を見ていた社員は安心したみたい。
本当に断って良いんだと。
もちろん、長期ビジョンに照らし合わせて、取引するにふさわしくないと思ったから断ったんだけどね。
そんな話を昨夜はしていた。
で、気づいたんだよね。
社員さんも、長期ビジョンがあった方が安心して働けるんじゃないかと。
社員さんの定着率も良くなると思うな。
◆ 長期ビジョンのための判断力
長期ビジョンと聞いて、何年後をイメージしますか?
一般的には10年後からを長期と呼んでいるビジネス書が多いですが、どうせなら30年後とか50年後とか考えてみませんか?
昨今のように、科学技術の進歩が加速度的に進む時代になると、10年後も長期かもしれませんが、比較的簡単に想像できてしまいます。
たとえば、自動車が自動運転されるようになり、いろんな分野でロボットや人工知能が活躍する時代。
海外旅行に行くときはもちろん、貿易の時も、ドル建てとか円建てとか考えなくても、双方にとって一番有利な条件で決済ができる時代。
医療分野も技術開発が進み、対処療法から遺伝子レベルでの予防医学が当たり前の時代。
組織の属すことなく、プロジェクトに応じて組織を渡り歩く人材が重宝がられ、いろんな職種で、就社じゃなく、本当の意味での就職になる時代。
もちろん、所得格差も本人の技量次第で、評価される、真にプロフェッショナルが求められる時代。
これが、30年後、50年後となるとどうでしょうか?
おそらく、ほとんどの人が想像すらできないのじゃないでしょうか。
だからこそ、あえて「無責任」でもいられるのではないでしょうか。
つまり、10年というのは事業計画にはいいかもしれませんが、経営者や事業主などのリーダーが法螺を吹くには短いと思うんですね。
全く想像もできないような次世代の時代。
全く想像できないけど、間違いなく次世代はやってきます。
そんな時代にも我々経営者は責任を持たなければなりません。
良い経営者は良い会社を創ることで、世の中に貢献する義務があると考えています。
雇用の確保、納税、価値の提供、地域や社会への貢献 などなど、どんな時代であれ、求められる本質はそんなに大差があるとは思えません。
30年後、50年後にも求められる本質的なビジョンとはどんなことでしょう。
おそらくほとんどの人が正解できないでしょうし、正解なんてないのかもしれません。
ただ、無責任でも良いので、ビジョンを示すことで、共感した仲間が協力し合い、ビジョンに近づくようになる可能性はありますよね。
そのために必要なのが判断力です。
長期ビジョンに近づく方法はおそらく無限にあることでしょう。
リーダーの数だけ、経営者の数だけ、組織の数だけ・・・
さらに、状況に応じて朝令暮改ほどではないにしても、方針や計画の変更や修正という判断も必要になってくることでしょう。
朝令暮改そのものは、どちらかというと、悪い意味でつかわれることが多いですが、冷静に考えてみたら、間違いに気づいて判断を覆さない方がもっと悪くありませんか?
判断力を身に着けるには、間違えることを怖がらないことです。
人間はだれしも、間違いもすれば、悩みもします。
間違いに気づいたら、謝って修正すれば良いだけの事。
それで、信頼を失うようなリーダーシップなら、最初から信頼なんかされていないだけの事。
長期ビジョンを達成するためには仮説と検証の繰り返しです。
「これでうまくいくに違いない」という仮説。
四半期、半年、年度での定期的な検証。
仮説が間違えていたら、判断のやり直し。
現代科学の最先端の技術と英知の塊である宇宙探査機が何億キロも離れた星に到着できるのも、仮説と検証の繰り返しです。
我々、凡人が妄想した未来を実現しようと思ったら、途中で判断ミスをするのは当たり前。
大切なのは間違いを修正する勇気を持つことと、長期ビジョンを諦めないことじゃないでしょうか。
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