事業再生のコンサル現場より

      2018/03/07

ようこそ岡山の経営コンサルタントカカトコリのブログへ

◆ 事業再生のコンサル現場より

「なんだ、将来が明るくなりました」

彼女が何気に使ってる言葉を深堀してみた。

前年度が赤字決算になり、不安を抱えていることは知っていたし、次に何をすべきなのかの悩みを抱えていることも。

実は、同じような不安や悩みを抱えているのは彼女だけではない。

今月は事業継承のコンサルもあった。

なんでも、前期が赤字決算になり、60代になった社長が不安に思っている。

ついては、そろそろ事業継承を視野に入れたコンサルをしてほしいとの、専務からの依頼。

赤字になったからと言って、すぐのすぐに倒産するわけじゃないんだけど、経理や財務のことを勉強していないと不安になる。

中小企業の場合、まちがった税金対策もあり、約80%以上の会社が赤字決算になっている。

下手な税金対策をやっていると、本当に利益が上がっているのか、赤字なのか大切な時に判断できなくなるので、止めた方が良いよ。

また、数十年もやってきて、そろそろ次の事業展開をしなきゃなと思う時にも赤字がなることが多い。

新しいビジネスを初めてすぐに黒字になるほど、世の中は甘くはないよ。

美味しい果物だって、牛や豚だってちゃんと育てないと食べれないのとおなじなんじゃない。

とは言うものの、本当は赤字になる前からチェックする方法があるので、早めに相談してほしいんだけどね。

ただ、残念ながら、赤字にならないと危機感が芽生えないみたい(苦笑

そして、最大の問題点は赤字が気になるばかりに、もっと大切なことを忘れてしまう。

他のクライアントさんの事例でもあるよ。

赤字を埋めようとあれこれと手を出してしまい、結局、どれも身につかず、マーケットからも信頼されなくなってしまうケース。

結局、何屋さんなのか判らないので、仕事も来なくなってしまうという悪循環。

もちろん、ビジネスそのものには寿命があるから、次の事業展開に着手すること自体が悪いという事ではない。

数字が気になって、なんとか黒字にしようとし過ぎて、なんのために経営しているのかという軸を忘れてしまう。

ただ、単に家族を養って、ご飯を食べるためだけなら、どこかにお勤めしていればいいんじゃないの。

経営すること自体にはいろんなリスクもあるよね。

当面の運転資金を借り入れるために担保を提供したり、人を雇用して責任を背負ったり、雇用保険などの社会的保障が無くなったり。

それでも、それらのリスクを背負ってでも経営者と言う人生を選択したのはなぜなの?

自分の人生の一部を犠牲にしてでも社会に訴えたいことがあったからじゃないの?

お金を儲けて贅沢したい、という動機も否定はしないけど、先ほども言ったように莫大な資産を築けるのはごく一部の人だけ。

だから、マスコミなどに取り上げられるんだよ、誤解しないでね。

だれでもが億万長者になれるんだったら、マスコミがわざわざ取材する価値がないでしょ。

それが、現実。

では、たいして儲かりもしないのに、なぜ、経営しているのかってことなんだよ。

自分はこのことを世の中に訴えたいんだ!というものがあるはず。

もし、自分が共感できる会社があるなら、そこに勤務するという選択肢があるわけでしょ。

でも、自らリスクを背負って経営者と言う進路を選択したのは、自分が訴えたいことを自由に主張できるからじゃないの。

経営者と言う選択は、自由度が大きい分、責任もそれ以上に大きい。

それだけの事。

そして、その自由をもっともっと大切にしなきゃ。

それが何かを具体的に言うと、経営者自身の理念ということ。

創業の理念。

企業理念。

経営理念。

順番にざっくり説明するよ。

何のために、起業・創業したのかという初代しか語れない思い。

私自身、二代目なので創業者にヒアリングしてみたことがある。

創業に至るヒストリー、きっかけは教えてもらえたけど、残念ながら、理念と呼べるほど立派なものは無かった。

ただ、色んな事を伝えてもらったなかで、重要だなと思っているのは、愛する人を守ったり、愛する人を幸せにするという事。

それは、家族やお客さま。

逆に言えば、愛せない人はお客さまにする必要が無いってことでもあるんだけどね。

次は企業理念。

企業とはどうあるべきか。

この会社はなんのために存在しているのか。

世の中に訴えたい価値観は何か。

50年、100年と未来永劫、存続、反映していくために大切だと思うのは何か。

具体的にどのように考えていくのかという軸になる部分。

事業内容そのものは、その時々の時代背景などがあるので、移り変わりはあるもの。

決算内容は、内部要因と外部要因で変わるので、いくら頑張っても市場性のないところでは経営が成り立たなくなってしまう。

経営が成り立たなくなる前に早め、早めに手を打つことをお奨めする。

(どのようなデーターを元に、どのように見て、どのように判断するのかは文章では表現しきれないので、興味のある方はお問い合わせくださいませ)

次は経営理念。

企業活動は、お題目だけではどうにもならない。

実際に活動資金を確保するための経営活動が必須になる。

俗に言う「何屋」として、企業理念を広めていくのかという事。

固い言葉を使うなら、自社の事業領域を決めるという事。

たとえば、飲食店。

お金儲けが大切だと思えば、産地偽装、賞味期限の無視などの許されないことや、仕入れ先を泣かせたり、手抜きをしたりといくらでも方法があるかもしれない。

すてきな空間を提供し、来店者にくつろいでほしいなら、それに沿った店舗設計や接客サービスが売りものになる。

美味しいお料理を堪能してほしいなら、食材や調理方法にこだわり、落ち着いた接客をするようになる。

などなど、このようにおなじ飲食店でも企業理念や経営理念が色濃く反映されることになる。

大切なので繰り返すよ。

自分たちの存在意義はどこにあるのか。

どんな人に、何を適用し、どうなってほしいのか。

それは、お客さまや市場が求めているのものなのか。

それらを実行するための具体的な行動計画はどうするのか。

協力してくれる人はどんな人たちなのか。

協力者と言えば、どんな人がいると思う?

以外に忘れているのが、出資者。

本当に魅力ある事業プランなら出資者がいてもおかしくないのに、なぜか、金融機関に行ってしまうんだよね。

これ、不思議。

金融機関も本来は事業計画に対して融資すべきなのに、抵当に対して融資しているから同じ穴のムジナなのかもしれんけどね。

他には仕入れ先や、アライアンスを組んでくれそうなビジネスパートナー。

事業内容に対して豊富な知識や体験からアドバイスをしてくれるコンサルタント。

そして何よりも大切なのは、あなたの理念に共感してくれるお客さま。

それらの人たちがあなたの企業活動を支えてくれるんだよ。

「理屈は分かった。
 でも、決めれないから悩んでるんじゃないか」

そんな声も聞こえてくるよ。

なぜ、悩むのか、なぜ、迷うのかという根本を知ってる?

禅問答のようなことになるけど、実はすっごくシンプルなんだよ。

その前に、ひとつのビジネスを軌道に乗せていくにはどのくらいの月日が必要だと思う?

マーケットから信頼され「〇〇のことなら※※さんに頼めばいいよ」とクチコミが起こるまでには、経験則からいうと10年くらいはかかるよ。

はやく決めて取り掛からないと、あっというまにオジサン、オバサンになってしまい体力も気力も落ちてくるよ。

素晴らしい経営者と言うのは、自分も年を取るということを知ってる人の事だよ。

で、なぜ、悩み迷うのかと言うと、決断しないから。

ただそれだけの事。

決めて他を断たないから迷い続けて、気が付いたら手遅れになってしまう。

今はビジネスのサイクルがすっごく速くなっているから、3年とか5年で良いから、とにかくこの分野に集中的に時間とお金と労力を投資してみると決めることだよ。

やらないで後悔するのと、やって反省し軌道修正するのとどっちが良いかは言うまでもないよね。

人生もビジネスも同じ。

計画通りになんか行きやしない。

でも何のための計画をするのかと言えば、軌道修正するためだよ。

だから早めに理念を決めて、計画を立てて、どんどん軌道修正すれば良いんじゃない。

最後に大切な質問をするよ。

さまよい続け、どこにもたどりりつかない人生と

試行錯誤と波乱万丈だけど夢に1ミリでも近づけるのと

どっちを選ぶ?

あなたの人生を決めるのはあなただよ

それが、経営者の自由なんだから

ひとはみんな自分株式会社の経営者なんだよ

すてきな経営者になろうよ

【追記】

11月7日のセミナーでは理念の大切さをより詳しくお話しします
詳しくは今すぐこちらをマウスでクリックしてください
http://www.cacatokori.net/seminar_information/90

追記
ビジネススキルも必要だけど、その前に人間力を高めよう

本日もお読みいただきありがとうございます

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