なぜ、中小企業の事業承継が上手くいかないのか

      2018/03/07

ようこそ小さな会社のための経営コンサルタントカカトコリのブログへ

◆ なぜ、中小企業の事業承継が上手くいかないのか
 
29歳で独立開業した茂樹の会社は土建業の中の専門工事業

1960年代から70年代と日本の好景気にも支えられ、順調に業績を伸ばしてきた。

もちろん、いくつかの不景気の時代はあったが、その都度、公共事業投資という政策に助けられてきた。

また、プライベートでも昇とみゆきという二人の子供にも恵まれ、それなりに充実した毎日を過ごしていた。

前回の続きです。

前回の記事はこちらからお読みいただけます

独立開業と事業承継の物語り

昇は、茂樹の意向もあり、東京の私大の土木工学科を卒業し、コネで入った大手ゼネコンに就職。

将来は茂樹の会社を引き継いでくれるものと思っていた。

国内だけでなく、東南アジアを筆頭に海外の現場でも経験を積み、昇が茂樹の会社に入ってきたのは28歳の時。

地元の返ってきたのを機に、県議会議員の紹介したお嬢さんと見合結婚。

「これで、腰を据えて、仕事をしてくれるに違いない」と茂樹は喜んだ。

ただ、現場監督の経験を積んでいた昇には、地方の中小企業である茂樹の営業方法や方針に納得できない部分が多々あった。

「安全大会」と言う名の、元請ゼネコンとの懇親会。

その後の飲み会は、酒池肉林の世界。

もちろん、経費はすべての下請けが持つという構造。

元請から回ってくる政治家のパー券の押し付けも嫌で嫌で仕方ない。

それでも、何年かやってるうちに、「まぁ、こんなもんだ」と割り切れるようになっては来ていた。

そんな時、突如として起こったリーマンショック。

急激に落ち込む売上と利益。

時代の流れで接待こそ少なくなってきていたものの、相変わらずのパー券の押し売り。

減り続ける売り上げと利益に頭を抱える日々。

公共工事予算の削減の名の下に、元請からは叩かれ続ける見積り。

「自分たち、専門職の協力が無ければ、大手だって仕事にならないはずなのに」

社長である茂樹に訴えるのだが、相変わらずのゴルフや飲み会の接待地獄。

たしかに、行動成長の時代ならそれでお互いに利益も上がっていたけど、入札方法も変わった最近では接待をしたからと言って、受注できる確率は保障されていない。

むしろ、接待費などの経費を思いっきり削減してきた、新興勢力に見積り価格で負けて受注量も減り続けてる。

「このままじゃだめだ。
 今までのやり方を変えなくては」

経営革新に乗り出す、昇の目の前に現れたのは・・・

ということで、次回の更新をお楽しみに

昇の目の前に現れた、経営革新を邪魔する抵抗勢力の真の正体とは

意外なところから現れたその真の正体が明らかになるのか?

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