経営者の役割・貢献とは
2021/09/07
ようこそ 岡山の経営コンサルタント カカトコリです。
「放置プレイと、権限の委譲は全く違うからね」
とある、経営者の集まりで雑談していた時のこと。
「社長は元気で留守が良い」の本当の意味を理解できているんだろうかと疑問に思うことがあり、ちょっと忠告をしたことがある。
先代から引き継いだ古参社員さんとの意見のぶつかり合いから逃げているように感じたから。
従業員30人未満の会社では、経営者自身も現場仕事や営業活動をしないと成長発展はあり得ない。
にも拘わらず、自社の経営規模を正しく把握することなく、また、本質的な部分を理解することなく、上辺だけまねても長続きしない。
学びの無い経営者は伸びない
実践の無い経営者は生き残れない
そんなことを考えつつ、経営者の役割の核心ってなんだろと考えてみた。
◆ 経営者の役割・貢献とは
昔々の出来事。
消防署の真ん前で夕方におかまを掘られた。
JAFの調査で現行モデルの中で、一番安全だと評価されたアベニールが横から見たらものの見事な「ヘ」の字になるくらいに。
もちろん、むち打ち症はあったけど、入院するほどじゃなく、自宅に帰り、嫁さんと談笑していた時のこと。
ぽつりと嫁さんが言った。
「良かったぁ~。頭は生きとる」
結婚して9年、交際期間も含めると11年目の出来事。
やっと、経営者の役割の本質を理解してもらえた瞬間だった。
ちょうど、出雲の経営者さんでパラリンピックにも出場している元国体選手さんとお付き合いが始まったころ。
その経営者さんの場合、30代半ばで病気のため、車いす生活を余儀なくされていた。
元々は経営者でもあり、職人でもあったし、国体にも出て活躍するくらいの方だから、相当な葛藤があったと思う。
そんな話しをしていたから、余計に「経営者の役割」というものを嫁さんなりに考えていたのかもしれない。
ただし、昔からよく言われるように「下手な考え、休むに似たり」で、頭脳労働のキモは、何について考えるか。
頭脳労働は本当に仕事をしているのかどうかが、本人以外にはまったく見えない。
見えないから、次のラウンドに備え、最終18番ホールまでのイメージトレーニングをしていようが、先週名刺交換したキャバクラの美恵ちゃんの口説き方を妄想していようが、真剣に会社のビジョンの具現化を考えていようが自分以外からは仕事をしているようにも、仕事をしていないようにも見えるという厄介を抱えている。
そこで、一つ提案したいのが「今日は○○の日」と宣言すること。
そして、頭脳労働の成果物を形にすること。
形にするとは、理想は文章化することであり、ベターな方法としては話すことだ。
「考え」は「文字」や「言葉」にしない限り、周りの人に伝えることが出来ない。
そして、脳みそは単純に考えろと指示しただけでは「何について考えるべきか」というループ的な思考に陥ってしまうので、「今日は〇〇の日」と宣言する。
もちろん、「〇〇」の中には、その日にヘッドワークをする具体的な業務内容が入ってくる。
いくつか例を挙げよう。
10年後、20年後、30年後、どんな会社でいたいか、という中長期ビジョン。
ビジョンを達成するために、何が出来て、何が足りないか。
足りない部分をどうやって補完するか。
そのための行動計画や、資金計画や、人事計画。
身に着けるべき知識にはどんなものがあるのか、その学習方法にはどんな方法があるか。
技術はどうか、社内環境の改善ポイントにはどんなことがあるか。
外部の変化の予想。
協力者として、どんな人脈が必要になり、どうやってコネクションを作るか
文字にすると、大げさに思えるかもしれない。
実際、文字にしなくても経営規模に関係なく、ほとんどの経営者は言葉にはできる。
が、文字にするには、自分の中の矛盾や問題点もクリアにしなければならない。
カカトコリさんも毎年、自社のこうした経営指針書のバージョンアップをしているし、経営コンサルタントとしてお世話させていただくクライアントさんのお手伝いもさせていただくが本当に大変。
なにかの書物で読んだが、肉体労働と頭脳労働では、頭脳労働の方が5~6倍疲れるのだとか。
だからなのか、経営者の中には、肉体労働をして、仕事をした気になっているダメ経営者が多い。
この際はっきり言っておこう。
社員さんが一番に気にしているのはお給料や休日などの雇用条件のことであって、会社の将来や経営のことじゃないよ。
会社の将来や経営のことを考えるのが経営者の役割。
先の見えない混とんとした時代の将来を考えるのは確かに大変だけど、そんなのは50年以上に書かれたような古い、古いビジネス書に本を売らんがためにずーっと書き続けられていること。
どんなに頭脳明晰な人でも、一年先どころか、一時間先の出来事すら予見することは不可能。
ただ、ドラッカーが実に面白いことを言ってるんだよね。
『未来を予想する一番簡単な方法は、自らがそれ(未来)を創ることだ』と。
あなたの会社の未来を設計するのが経営者の役割であり、責務なんじゃないのかな。
そのために首から上があるんだから。
しっかり、脳みそに汗をかこうよ。お互いに。
【追記】
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