設備投資を過剰投資にしない

      2021/08/27

設備や人件費は経費じゃないよ
投資です。
投資したら、元をとる方法を考えようよ。
 
 
 
ようこそ 岡山の経営コンサルタント カカトコリです。
ビジネスの入り口は集客です。
集客を入り口とした経営コンサルタント。

販路開拓や販促支援のサポート役。
時々、叱るので「集客の鬼」と呼ばれています。
得意分野はコンサルタントコンサルティング。
 
 
 
4連休はいかがお過ごしでしたか?
 
カカトコリさんはお彼岸と敬老の日を兼ねて、年老いた母と亡父の墓参り。
 
空き時間で、上橋菜穂子先生の『鹿の王』を読了しました。
 
主人公とは別にテーマが「感染症」ということで、実に様々な気づきや学びを得ることができました。

さて、本日の日経のデジタル版に『オンライン配信は収益源になるか』という、実に興味深い記事が出ていました。

とあるコンサートでは1000円のチケットが9000枚売れたそうです。

900万円の売上ですが、配信経費は約2400万円。

どうすれば元が取れるんだろうかと、興味津々で読んでいました。

ということで、本日は過剰投資についてです。 

写真は読了した『鹿の王』シリーズ
 
ころなもこの小説のように簡単に撲滅できると良いんだけどなぁ

 
◆ 設備投資を過剰投資にしない
 
 
 
困っている人のお役に立つのがビジネスの基本
 
 
 
昔々、あるところに注文はいっぱい来るけど、製造ができないで困っている男がいました。

異業種から参入してきたその男には業界内の人脈が無いので外注できる業者もいません。
 
世界史規模で見ると、約5000年の歴史のある業界で、いまだに徒弟制度が残っている業界です。

どこの馬の骨ともわからないようなその男に「よっしゃ、協力してやろう」という仲間はいませんでした。

ところが、その当時の日本はそんな伝統的な業界すら、製造部門をどんどん海外にシフトしていました。

海外シフトの影響で国内には、過剰設備になっている工場がいくつもあったのです。

過剰設備とは言っても、古い設備なので、その男の要望通りの生産量をこなそうとすると最先端技術を装備した最新式の機械で24時間体制を準備する必要がありました。

目先の売上が欲しい業者がついつい、業界のしきたりを無視して食いついてしまいました。

どうなったと思いますか?
 
 
 
貧すれば鈍す
 
結果的にはプロジェクトに乗った製造業のうち現存しているのは1社のみ。

目先の売上が欲しい業者がついつい、業界のしきたりを無視して食いついてしまいました。

困っている人のお役に立つのがビジネスの基本なのに、基本を忘れ、自社の売上や利益を優先したばかりに、伝統の本質を忘れてしまい、挙句の果てには、会社そのものの経営が成り立たなくなってしまいました。
 
ではどうすれば良かったのでしょうか?
 
経営破綻した会社と残った会社の一番の違いは、顧客シェア率でした。

残った会社はこのプロジェクト以外の卸先や高利先を持っていました。

また、旧来の事業だけでは先行きに不安があるということで、近接事業への進出も進めていました。

過剰設備になっているからと、安易に大型プロジェクトに参加し、一見、稼働率が良くなったように見えたのですが、受注に占めるプロジェクトのウエイトが大きすぎて、経営の主導権を握られてしまい仕事をこなしても利益の出ない価格を押し付けられていたのです。

過剰設備を廃棄処分した工場もありました。

電気代、税金、人件費などを少なくしようと、稼働率の低い設備を廃棄した工場もありました。

「あららぁ」と思っていたら、「やっぱり」残った社員さん達の士気がダダ下がり。

「自分たちもいずれはリストラされるに違いない」という疑心暗鬼が生まれました。

これでは長年かかって築いてきた労使間関係が一気に壊れてしまいます。

よく経営者の勉強会では、顧客満足と従業員満足のどちらを優先すべきかというテーマが論ぜられます。

今回の例ではマーケットそのものが海外に流出しました。

同じものが安く買えるならそれにこしたことはない、というのは不変な顧客心理です。

海外に負けない付加価値をつけたり、新たな顧客開拓をしたり、新規事業のアイディアはどこから生まれますか?
 
「この人についていけば大丈夫」という労使の信頼関係があればこそ、過剰設備をどうするのかの判断も一緒に考えてくれるのではないでしょうか。

ひとつ事例を思い出しました。

自動車部品の下請けメーカーの事例です。

その企業さんは経営規模的には小零細企業に属する部類です。

他者との違いは積極的に障がい者雇用に取り組んでいます。

約三割の社員さんが障がい者だというのですから驚きです。

かつて、燃費問題で納入先の工場がストップした時に、隣接事業の開拓に乗り出しました。

条件は二つ。

従業員を解雇しない。

新規設備は導入しない。

社長が真剣に考えても限界があります。

そこで、従業員さんや従業員さんのご家族も巻き込んで企画コンペをしました。

もっとも、工場設備の現状、どんな機械があり、どんな加工ができるかを知らないとアイディアも生まれません。

そこで、家族参観日を実施したそうです。

いくつか素晴らしいアイディアが出てきて、あるペット用品では直販ルートの開拓にも成功しています。

障がい者雇用を通じ、社員と共に歩む、人を生かす、を日ごろから実践しているから、周囲を巻き込むことができたのだと思います。

リストラとは、本当の意味はビジネスの再構築です。

帳面上の数字だけ見て安易に人件費を削ることではありません。

 

【昨日の出来たこと&嬉しかったこと】
 
『鹿の王』シリーズを読了
 
ビジネス書も1冊読了 
 


 
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